当社は1947年設立の八洲興業株式会社（空調設備設計施工会社、現　株式会社八洲空調システムズ）の製造販売部門として、水噴霧”キングノズル”と軸流ファンインペラ”マルチウィング”の製造販売を行ってきましたが、1989年に八洲興業販売株式会社として分離独立いたしました。

1950年頃の花形産業であった綿紡績の工場では空調機として、水噴霧ノズルと大型の軸流ファンを主要構成機器とする大型キャリアを用いていましたが、当時のノズルは高価な金属製でしたので、1キャリアに数千個必要となるとかなりの金額となり、価格の低減が求められていました。そこで当社は世に出始めていたメラミン樹脂に着目して1954年に金型による成型を開始し、価格の大幅低減に成功しました。その後、更に安価で形状安定性の良いポリプロピレン樹脂の高圧成型に移行したことにより、一層均質でしかも安価なノズルを世に送り出すことができ、現在に至っています。



1968年にはデンマーク・アンデルセン社（現マルチウィング・インターナショナル社）と技術提携を結び、軸流ファンインペラ”マルチウィング”の製造販売を開始しました。インペラ径、ブレード枚数、ピッチ角度、材質などが任意に選択できるという大きな特徴を備え、250㎜の小径から3mを超える大型までをラインアップした軸流ファンインペラです。当初は高効率を追求した。製品開発をしてきましたが、最近では世界的に高まる静音性の要求に対応して、マルチウィングの特徴を生かしながら低騒音を実現したインペラも完成しています。現在マルチウィングは多くの主要国に出荷されていますので、まさしく世界標準の軸流インペラであると自負しております。